Crested China/クレステッド・チャイナとは、このように各地の紋章がついている小さな陶器のことをいいます。主にヴィクトリア時代後期から1930年代頃までに多く作られました。
ヴィクトリア時代、英国では鉄道網が発達し、一般庶民でも旅行を楽しむことができるようになりました。そして、旅行に行った先で欲しくなるものは、お土産。
沢山の物を飾り付けるヴィクトリアンの室内装飾において、お土産の小物はまさにうってつけのアイテムだったことでしょう。
そして、庶民が旅行に行けるようになった、といっても、まだまだいけない人は沢山いたでしょうから、行った先が一目でわかるようなものであれば、家に来たゲストにさりげなく自慢ができるというもの。
そんな理由から、小さくて持ち運びが容易、そしてご当地の紋章が描かれているクレステッドチャイナは、たいへんな流行となりました。
人の手の温もりが感じられる造形、そして絵付けはほとんど手で行われていたというクレステッドチャイナ。
主に小さな壺、花瓶がモチーフになることが多いのですが、これは珍しくカエルのフォルムをしています。
背負った紋章は、イングランドの東部の町、Norwich/ノリッジ。
15世紀からの紋章は、ノリッジ城にエドワード三世を象徴するライオンがモチーフとなっています。そして、古い紋章には左右に天使が立っている美しいもの。
1906年の煙草の箱には、その図柄が使われており、このカエル君と同じ柄となっています。
カエル君の底には「THE MILTON CHINA ENGLISH MANUFACTURE」の文字がみえます。
現在、スタッフォードシャー・トークオントレントに「MILTON CHINA」という陶器製造メーカーがありますが、ここの創業は1989年で、どうやら別の会社のようです。
調べてみると、トークオントレントのそば、LongtonにあったWillow Potteryが、20世紀初頭、ロンドンの問屋用にこのマークを使っていたらしい、ということがわかりました。
今はもうない、天使の紋章を背負ったお土産物のカエル君。
100年を超えて、そっとずっとうずくまっている小さな存在は、愛らしさを超えてどこか崇高な雰囲気さえ漂っています。
もし、よろしければ、あなたのお手元で数年、いえ数十年の間だけ置いてみるのはいかがでしょうか?
◆England
◆THE MILTON CHINA(Willow Pottery,Longton)
◆推定製造年代:20世紀前半
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約6cm 奥行き約7cm 高さ約4cm
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*製造時からと思われるスポッツや色の飛び、また底に若干の汚れがございます。
*金彩や絵柄の若干の剥げがみられます。
*大きな欠けやヒビなどはみあたりません。
*古い焼き物ですので、お取り扱いにはご注意ください。
*上記ご了承の上、お求めください。
*画像の備品は付属しません。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Art Frog
ONLY FOR FROGLOVERS
by d+A
http://art-frog.com
No comments:
Post a Comment